この章でわかること: 「AIで、こんな業務プロトが作れる」の実例カタログ。
職種・業務別に14個を並べたので、自分の現場に当てはめて「これ、うちのアレに使えそう」と
発想を広げる使い方をしてください。
このカタログは「作り方」ではなく「発想のきっかけ」です。ピンと来た実例が見つかったら、
本格的に作る前に実践ハンズオンでひと通りの流れを体験しておくと、
どれも同じ要領で作れることが実感できます。
まず全体像です。気になった行から詳細に飛んでください。
| 職種 | 実例 | ざっくり何が楽になる |
|---|
| 営業 | 見積もり/料金シミュレーター | その場で概算を出して商談が前に進む |
| 営業 | 簡易CRM(顧客メモ) | 顧客ごとのやり取りを一覧で追える |
| 営業 | 名刺・帳票のOCR取り込み | 手入力の転記作業が消える |
| 企画・マーケ | アンケート集計・可視化 | 生の回答が一目でわかるグラフになる |
| 企画・マーケ | イベント受付/QR | 当日の受付列がスムーズになる |
| 企画・マーケ | 問い合わせフォーム+自動返信 | 一次対応の取りこぼしが減る |
| 企画・マーケ | コンテンツ投稿/掲示板 | 情報の集約・共有が一箇所で回る |
| デザイン | 予約受付 | 電話・メールの往復が要らなくなる |
| デザイン | チェックリスト/点検アプリ | 抜け漏れなく確認・記録できる |
| アナリスト | KPIダッシュボード | 数字を見に行く手間がなくなる |
| アナリスト | 在庫/持ち物チェック | 「今いくつあるか」が常に最新になる |
| コンサル・現場 | 稟議・承認フロー | 「今どこで止まっているか」が見える |
| コンサル・現場 | シフト/当番表 | 誰がいつ担当かの調整が楽になる |
| コンサル・現場 | FAQ/社内問い合わせボット | 同じ質問への対応が自動化できる |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 営業が、条件を聞きながらその場で概算を出せる。持ち帰り→後日回答の往復が減る |
| 最小構成 | 数量・オプションを選ぶと合計金額が出るだけの一枚。料金表は仮の値で十分 |
| AIへの頼み方一言 | 「数量とオプションを選ぶと合計が出る料金シミュレーターを一枚で。金額は仮でOK」 |
| 発展 | 割引ルールや条件分岐を追加、PDFで見積書として出力、提案資料に組み込む |
商談その場で見せる想定なら、提案書から動くPoCを作るの作り方が近いです。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 営業が、顧客ごとのやり取り・次アクションを一覧で追える。記憶と個人メモ頼みから卒業 |
| 最小構成 | 顧客名・メモ・次回予定を追加/一覧表示するだけ。まずは自分の端末内で動けばよい |
| AIへの頼み方一言 | 「顧客名とメモと次回予定を登録して一覧できる、シンプルな顧客メモアプリを作って」 |
| 発展 | チームで共有できるよう保存機能へ(発展:みんなで使えるよう保存する)、絞り込み・並べ替え |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 営業・事務が、名刺や紙の伝票を撮って取り込むだけで済み、手入力の転記が消える |
| 最小構成 | 画像を選ぶと文字を読み取って表示するだけ。まずは1枚を正しく読めれば成功 |
| AIへの頼み方一言 | 「名刺の画像から会社名・氏名・連絡先を読み取って表示する画面を作って」 |
| 発展 | 読み取り結果を上のCRMに流し込む、複数枚まとめて処理、項目の自動仕分け |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 企画担当が、生の回答をグラフで一目にできる。手作業の集計・グラフ貼り付けが要らない |
| 最小構成 | 回答データ(CSVなど)を読み込んで、件数や割合を棒グラフ・円グラフで見せるだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「このアンケート結果を読み込んで、設問ごとの割合をグラフで見せる画面にして」 |
| 発展 | 期間や属性での絞り込み、自由記述のキーワード集計、定例レポートの自動化 |
データを見せる系はこれが王道です。作り方はデータを見せるが丸ごと参考になります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 運営が、当日の受付をスマホでさばける。名簿と紙のチェックの往復が減る |
| 最小構成 | 参加者リストを表示し、名前で検索してチェックを付けるだけ。QRは後回しでよい |
| AIへの頼み方一言 | 「参加者リストから名前を検索して、受付済みチェックを付けられる画面を作って」 |
| 発展 | QRコードの発行・読み取りで受付、受付状況の集計、複数受付端末での共有 |
QR発行や読み取りはブラウザだけでも可能です(Web/Chrome API)。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 担当が、一次対応の取りこぼしを防げる。届いた瞬間に受付完了を返せる |
| 最小構成 | 名前・用件を入力して送信できるフォームと、「受け付けました」の表示だけ |
| AIへの頼み方一言 | 「名前と問い合わせ内容を入力して送信できるフォームと、送信後の受付メッセージを」 |
| 発展 | 内容の自動仕分け、担当への通知、自動返信メールの送信 |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | チームが、お知らせ・ナレッジ・意見を一箇所に集約できる。散らばった共有が減る |
| 最小構成 | タイトルと本文を投稿して、新しい順に一覧表示するだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「タイトルと本文を投稿すると新着順で並ぶ、社内向けの簡単な掲示板を作って」 |
| 発展 | カテゴリ分け・検索、コメント機能、複数人で使えるよう保存(発展:みんなで使えるよう保存する) |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 店舗・窓口担当が、電話・メールの往復なしで予約を受けられる |
| 最小構成 | 日付と時間を選んで名前を入れると「予約完了」が出るだけの一枚 |
| AIへの頼み方一言 | 「日時を選んで名前を入れると予約完了になる、シンプルな予約画面を作って」 |
| 発展 | 空き枠の管理、重複予約の防止、確認メールの自動送信 |
見た目やUIの当たりを取る用途なら、まず実践ハンズオンで一枚作る感覚を掴むと早いです。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 現場担当が、抜け漏れなく確認して記録を残せる。紙のチェックシートを卒業できる |
| 最小構成 | 項目にチェックを付けて、最後に「完了」を記録するだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「点検項目にチェックを付けていって、全部終わったら完了を記録する画面を作って」 |
| 発展 | 写真の添付、日付ごとの履歴、複数現場の切り替え |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | アナリストや管理職が、主要な数字を見に行く手間なく一画面で把握できる |
| 最小構成 | 売上・件数など数個の指標を、大きな数字とグラフ1〜2枚で見せるだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「主要な数字を大きく表示して、推移を折れ線グラフで見せるダッシュボードを作って」 |
| 発展 | 期間切り替え、前月比・目標比の表示、データの自動更新 |
ここもデータを見せるが直接の教材になります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 担当が、「今いくつあるか」を常に最新に保てる。数え直しや二重発注が減る |
| 最小構成 | 品目と数量を一覧表示し、増減ボタンで数を更新できるだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「品目と数量を一覧にして、プラス・マイナスで在庫数を更新できる画面を作って」 |
| 発展 | 残りが少ない品目の警告、入出庫の履歴、複数拠点での共有 |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 申請者と承認者が、「今どこで止まっているか」を一目で追える |
| 最小構成 | 申請を登録して、状態(申請中/承認/差し戻し)を切り替えて一覧表示するだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「申請を登録して、承認・差し戻しの状態を切り替えて一覧できる画面を作って」 |
| 発展 | 承認者への通知、コメント欄、複数段階の承認、履歴の記録 |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | まとめ役が、誰がいつ担当かの調整・共有を楽にできる。表計算の手作業が減る |
| 最小構成 | 曜日と担当者を一覧の表で表示し、担当を割り当てられるだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「曜日ごとに担当者を割り当てて表で見せる、シンプルな当番表を作って」 |
| 発展 | 希望の受付、重複や偏りの警告、複数人での共有 |
| 項目 | 内容 |
|---|
| 誰の何が楽になるか | 情シス・総務が、同じ質問への対応を減らせる。聞く側も待たずに答えを得られる |
| 最小構成 | よくある質問と答えを一覧にして、キーワードで検索できるだけ |
| AIへの頼み方一言 | 「よくある質問と答えを登録して、キーワードで検索できるFAQ画面を作って」 |
| 発展 | 自然な会話で答えるチャット化、社内文書からの回答、質問ログの分析 |
実例をそのまま使うより、自分の困りごとに置き換えるのがコツです。次の3つを埋めてみてください。
| 埋める項目 | 問いかけ |
|---|
| 誰の | 普段いちばん手間をかけている人は? |
| 何が | その手間は「入力・集計・確認・共有」のどれ? |
| どう楽に | 一枚の画面にできるとしたら、まず何が見えれば嬉しい? |
これが決まれば、あとは実践ハンズオンと同じ流れで試作できます。
「そもそも技術的に作れるのか」が気になったら、アイデア集で
フロントだけでできること・サーバーが要ることを切り分けてから進めましょう。
「AIで何が作れるか」は、実例を知っているほど自分の現場に引き寄せて発想できます。
大切なのは大作を作ることではなく、「これ、うちのアレに使えそう」という当てはめの引き出しを
増やすこと。ひとつでもピンと来たら、まずは最小構成の一枚から。動くものを見せられると、
提案でも社内でも話が一気に具体的になります。