発展:提案書から動くPoCを作る
この章でわかること: 基本のハンズオンより一歩進んだ、実務に近い作り方。 既にある提案スライド(PDF)を起点に、プラグインとプロジェクト方針を仕込み、AIに ブレスト → 設計 → 実装まで走らせて、顧客に触ってもらえる PoC(概念実証) を 0→1で立ち上げます。
Step 1:プラグインを入れる
Section titled “Step 1:プラグインを入れる”まず、開発の各フェーズを助けるプラグインを入れます。入れ方の基本は
プラグイン/スキルの通り。ここで使う4つのうち3つは
Claude公式マーケットプレイス(claude-plugins-official) にあり、これは
最初から使えるので追加は不要です。そのままインストールできます。
| 用途 | プラグイン | 役割 |
|---|---|---|
| 開発 | feature-dev(Claude公式) | 要件洗い出し→設計→実装→レビューのフェーズに沿って開発を進める |
| デザイン | frontend-design(Claude公式) | “AIっぽくない”洗練されたデザインにする。スキルなのでAIが自己判断で使う |
| セキュリティ | security-guidance(Claude公式) | 生成コードをリアルタイム検査し、脆弱性をその場で修正 |
| ブレスト | superpowers | TDD・デバッグ等をスキル化。今回はブレインストーミングの枠組みとして使う |
/plugin install feature-dev@claude-plugins-official/plugin install frontend-design@claude-plugins-official/plugin install security-guidance@claude-plugins-officialfeature-devは/feature-devコマンドが出れば成功。「/feature-dev キャッシュ機能を追加して」のように使います。frontend-designはスキルとして働くので、明示指定しなくてもAIが自己判断で使ってくれます。superpowers(ブレスト用) はコミュニティ配布です。導入手順は プラグイン/スキルの「マーケットプレイス追加 → インストール」を参照してください。
Step 2:プロジェクト方針(CLAUDE.md)を置く
Section titled “Step 2:プロジェクト方針(CLAUDE.md)を置く”プロジェクトのルートに CLAUDE.md を置き、技術選定と品質のルールをAIに常時
読ませます。これはデザインシステムの3層でいう
「AI用ルール(文脈)」の層にあたります。狙いは
特定のクラウドに依存しない、引き継ぎ可能で綺麗なコードベースを保つこと。
# プロジェクト方針Next.js (App Router), Drizzle ORM, Auth.js を使用した、特定のクラウドベンダーに依存しない高品質な顧客提案用PoC。将来、本番運用のエンジニアへ引き継ぐ際、Vercel/Supabase や Cloudflare Workers/D1 等のあらゆる環境へシームレスに移行・スケールできる綺麗で堅牢なコードベース(保守しにくいコードを避ける)を維持すること。
## 採用スタック(インフラ非依存の一例。唯一の正解ではない)- フロントエンド・UI: Tailwind CSS + shadcn/ui をベースに、モダンなコンポーネント駆動でデザイン。- データベース(ローカル): `@electric-sql/pglite` を使用し、Docker不要のローカル完結型 Wasm PostgreSQL。- ORマッパー: `Drizzle ORM`。スキーマは `src/db/schema.ts` に一元管理し、インフラ変更に耐える抽象度を保つ。- データ取得・操作: API Routes は原則禁止。取得は Server Components の直接フェッチ、 更新・処理は `Server Actions` 経由で Drizzle から行う。
## 認証・セキュリティ制約(デモ最適化)- 認証方式: `Auth.js` (NextAuth v5) と `@auth/drizzle-adapter` で Email/Password (Credentials) 認証。- セキュリティ: パスワードのプレーンテキスト保存は厳禁。必ず `bcrypt` 等でハッシュ化して保存・比較。- バリデーション: Server Actions の引数やフォーム受け取りには必ず `Zod` を通し、型安全を徹底。- デモ用UIの工夫: 手入力の手間がない「ワンタップでテストユーザー(管理者/一般)としてログインできるボタン」を用意。
## 開発プロセス(Claude Code への自律命令)- 事前設計: 実装前に「既存コンポーネントやデータ構造への影響」を思考し、変更予定ファイル一覧と設計思想を提示して承認を得る。- 品質管理: 書き換え後は自律的に `npm run lint` と型チェックを実行し、エラーや `any` の混入がないことを確認してから完了する。- コンポーネント分割: 巨大化・密結合を避け、UI表示とビジネスロジックを分離し、再利用可能な小さな単位に分割する。Step 3:提案書から0→1する
Section titled “Step 3:提案書から0→1する”3-1. 提案書(PDF)を docs/ に置く
Section titled “3-1. 提案書(PDF)を docs/ に置く”提案スライドを PDFに変換して docs/ に置きます(パワポも読めますが、Python を
かませる必要があるためPDFが手軽)。あわせて CLAUDE.md も置いておきます。
3-2. superpowers でブレストし、仕様書を作らせる
Section titled “3-2. superpowers でブレストし、仕様書を作らせる”スライドを読ませ、MVP(必要最小限)の仕様を抽出・整理させます。
/superpowersdocs/サンプル提案資料.pdf の提案スライドを読み込んで、このシステムで実装すべき必須機能を抽出して。その上で、機能要件・仕様についてブレストしたい。本番稼働ではなく、デリバリー前の提案フェーズで顧客に試しに使ってもらう「動くプロダクト」を作るのが目標。ブレストが終わったら、仕様をまとめたマークダウンのほかに、- 画面一覧- シーケンス図- アクティビティ図- ER 図- コアロジックの解説書を、Mermaid で図を入れながらそれぞれ別ファイルで生成して。ブレスト後は docs/仕様書v1.md として保存させます。提案資料に機能一覧まで
書いてあるならブレストは省いてもかまいませんが、提案書から仕様書に起こす手順は
必ず通します。
3-3. コア機能を実装する
Section titled “3-3. コア機能を実装する”0→1の立ち上げは、superpowers の subagent-driven-development が向いています。 複数の設計書を渡すと、内部で複数の子AI(サブエージェント)を立て、「片方はDBスキーマ、 片方は認証画面」と並列で土台(骨組み)を一気に自律生成します。
一方 feature-dev は、既に動いているアプリに「この画面にこのボタンを足す」と
いった1機能を綺麗に差し込む差分開発が得意です。役割が違うので使い分けます。
3-4. 動くものを見ながら修正する
Section titled “3-4. 動くものを見ながら修正する”デバッグ段階では、feature-dev は都度時間がかかるので使わず、直接 Claude Code に
指示して手早く直していきます。「指示する→見る→直す」のリズムは
基本ハンズオンと同じです。
設計を確認したい
Section titled “設計を確認したい”途中で全体像を把握したくなったら、設計書を出力させるのが有効です。分けて 出させると読みやすくなります。
分けて確認したいので、以下の設計書を出力してください。- 画面一覧- シーケンス図- アクティビティ図- ER 図- コアロジックの解説書(Mermaid で状態遷移やフローをわかりやすく)Mermaid はこのサイトでも使っています。図での整理の考え方は 複雑な仕様を図で整理するを参照してください。
提案業務では、「スライドの構想」と「動くもの」の間の距離が、そのまま商談の
スピードを決めます。プラグインで段取りを借り、CLAUDE.md で技術方針を固定し、
AIにブレスト→設計→実装を走らせる——この型を持っておくと、提案資料から
数時間で触れるPoCへ、という筋道が現実になります。仕上げの前に
生成物の見分け方とセキュリティの
チェックも忘れずに。
参考リンク(情報ソース)
Section titled “参考リンク(情報ソース)”- Claude Code プラグイン: https://code.claude.com
- superpowers: https://github.com/obra/superpowers-marketplace
- PGlite: https://pglite.dev
- Drizzle ORM: https://orm.drizzle.team
- Auth.js: https://authjs.dev